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水野由加里と棟広良隆の広尾っ仔REVIEW Vol.12

水野由加里:さぁ広尾っ仔REVIEWをはじめます。さっそくマカハの三走分からです。休んでからの三走ということでしたが、千四がね、東京千四が得意と言われていますけど、なかなか結果が出ていない。

棟広良隆:よろしくお願いします。マカハは休み明け初戦ということもあって、前半から、いつもよりも着いていけなかったというのはありますね。それでもメンバー中最速の上がりを使って0.4秒差ですから、内容は悪くないです。やはり前半からの反応がいつもより悪かったというのが、休み明け初戦というものだと私は思いますね。

水野:二走目が千六。

棟広:このときは、前半の「行きっぷり」は、むしろ使われたことによって良化したんです。ですから、この「行きっぷり」のよさを千四で見せてくれたらと思ったんですよね。
この前1回千六を使ったときに、ある程度出していく競馬をして、終いで他馬と同じような脚色になってしまいました。ですから、「溜めるだけ溜める競馬」も1回見たいと思っていますが、今回は使われた上積みで「行きっぷり」がよくて、やはり千四よりも位置取りがだいぶ良化しましたからね。通過順位は11番手ですが、前半の前との差を見たら、休み明け初戦の白秋ステークスに比べてだいぶ良化していました。その分終いは他馬と同じような脚になっていますが、それでも33秒7使っていますからね。
距離適性に関しては、なんとも言えないですね。

水野:そうですね。全体的に見ればもうちょっと行けそうな気もするし、クリスチャン・デムーロ騎手は「この距離でも……」というコメントを出して、ただし陣営からは「それでも戦法も含めて考えれば、千四もしくはもっと……」というところなんですかね。
三走目の奥多摩ステークスはいかがですか?



棟広:これは千四に距離が戻りましたが、距離の問題じゃなくて馬場なんですよ。

水野:稍重でしたね。

棟広:マカハにとって道悪よりは良馬場のほうがいいことはたしかです。でも、返し馬を見ると少し下を気にするような走りはしていましたが、レースで乗った内田ジョッキーは、「これぐらいの馬場だったらこなせる」と言ったんです。ただし、もっと問題だったのは、この日は馬場がどんどん乾いていく状態でした。これは10レースで、9レース、10レース、11レースと三つ芝のレースが続いて、VTRを見てもらうとわかりますが、すべて内を突いた馬しか来ていません。これは馬場が乾いていく過程で、内から乾いていっている。ですから外から差した馬は来ていないんです。マカハは外から差さないとダメですから、その時点でもうダメでした。馬場が湿っている、湿っていないではなくて、内から乾いていっている馬場状態がもうダメでしたね。
これは本当におもしろいですよ。9レース、11レースの結果を見ると、ともにダントツ一番人気のアデイインザライフという馬とニシノラッシュという馬が、外枠から差して届いていない。勝った馬を見ると、ブラヴィッシモとか、これは一番枠で最内を突いています。見てもらったらすぐわかります。
ですから、外から差す馬──マカハの自分の形、それが馬場に合っていなかったということなので、仕方のない敗戦ですね。

水野:稍重というよりも、内外の差があったということですね。

棟広:そちらですね。たしかに過去にもこれぐらいの馬場で、嫌がりながらも2着、3着に来ていますから。本人自体の下の渋り具合は、ジョッキーはOKだと言っていましたからね。

水野:これは中1週、中1週で出走してきまして、そろそろ……。

棟広:そうですね。このあとはたぶん休養だと思います。

水野:いまのところの次の予定は、芝千四に固執せずに、それ以外の選択肢も考えていく方向だそうですね。

棟広:ちょっとダートを試してみたいという意向が話の中で出ているんです。一度ダートは使っていますが、それは長い距離でしたから。千四、千二とか、ダートだと千四なら東京、京都、阪神ですが、千二なら中山、京都、阪神とありますよね。そのあたりの適性も一度見てみたいという話なので、もしかすると、東京の本開催が終わると次はダートを一度試してみたい、チャレンジしてみたいという方向に行くかもしれないですね。

水野:ダート出走していけそうだということで1600万下をダートで勝った場合、その先どういう選択肢になりますか?

棟広:ダートで1600万下を勝ったら、交流の道がちょっとあるじゃないですか。

水野:もうダート路線に行くという。

棟広:準オープンのダートクラスのレベルは、私はけっして低くないと思うんです。下のクラスで、能力だけで芝とかダートとか関係なく勝ち上がってきた馬ができないクラスだと思うので。準オープンのダートでもし勝つことができるのであれば、それは芝からダートに変わって一押しが効いたと考えていいと思います。それがもし叶えばオープンでも──交流重賞はそう簡単に賞金面で出走は叶わないですが、そのあたりも将来的には視野に入れていけるのではないかと思います。

水野:そうなったらすごいですね。いきなりそこからダートで名をのばしていったらすごいと思いますね。

棟広:たしかに。

水野:ただ、先ほど棟広さんがおっしゃった敗因であれば、このまま我慢強くこの路線でとも思えてきていたんですけどね。

棟広:一度試してみて、まったく結果が出なかったのであれば、この条件で確実に賞金を稼いでいくのも悪くないと思います。



水野:そうですね。
続いて、マカハと同じ奥多摩ステークスに出走していたシャトルアップですが、さすがにスピードがありましたね。

棟広:いや、さすがです。やはり直線千を使われていただけのことはありますね。ただ、今回マカハが後ろから行くまでシャトルアップは前で競馬しましたが、準オープンクラスでの前走の直線競馬で4着とした競馬がありましたね。あのとき終いを活かす競馬をしたので直線千がベストであることは確かだと思いますが、その条件が来年までないですからね。それ以外の条件で賞金を稼いでいこうと思ったら、後ろから行ってほしいと思います。終いを活かす競馬のほうが、着を拾いやすいと思います。
実際に1,000万を勝ったときには先行力で押し切りましたが、準オープンのレースは最後からスッと差してきての4着だったので、その先行力を終いに脚を変えて、着を拾っていく競馬が合っているんじゃないか、いまの段階ではいいんじゃないかなと思います。
今回は千四という、一気に2ハロンというのはちょっと大きかったですね。千二で差す競馬を見てみたいと思います。

水野:来年の番組ですから予定が出ていないようですが、直線1000メートルがない分そういう路線を陣営も考えて。

棟広:今回は馬体も増えていましたし、今回叩いた上積みも状態面では期待できると思いますので、次走は千二。東京は千二がなくて一番短い距離で千四なので、これは仕方がないのでね。中山に行けば準オープンの千二がありますから、そこでの差す競馬を一度見てみたいと思います。



水野:続いてはエルカミーノレアルです。二走していますが、この馬は札幌以外9場走っているんです。

棟広:すごいですね。

水野:そうなんですよね。福島だと三走していて、2勝で3着が1回。すごいんですよね。

棟広:たしかにそうですね。まず、先に走ったのは直線競馬のほうですね。

水野:そうですね。

棟広:実際、これは直線競馬を初めて走りましたが、大外枠を引いて、条件的には最高のものが整っていたんですよ。ですから、この3着というのは、正直けっこうショックでした。楽勝すると思っていたんです。しかも大外枠からスッと先行して、なんの不利もない競馬をしたじゃないですか。これで押し切れなかったのは……。
しかも降級馬はこのレースでこの馬一頭だけでした。ようするに実力も上、条件も揃っている。本当にタイム差なしの3着でしたが、負けたことには正直ショックでしたね。ここは楽勝してくれないと。もともと準オープンクラスの馬じゃないですか。相手なりに合わせて走っているのかなというのはありますが、この3着というのは悲観というか、あまり喜ばしい3着ではないなと思いました。
続く福島の河北新報杯も、福島1200mで500万と福島2歳ステークスの2戦2勝という実績だったじゃないですか。だからそこで負けてしまったことが──水野さんはたしかに1着、1着、3着というのは適性やとおっしゃいましたが、事実オープン競走を勝っているんですよ。

水野:そうですね。

棟広:この前の日曜日に黛弘人騎手が勝った福島2歳ステークスを勝っているわけです。その条件が揃っているところで、一枚上の実績がありながら──この3着というのも、メンバー中最速の上がりを使っているし、内容はたしかに悪くないです。でも、ちょっと相手なりに走っている面があると思うんです。これは二つの条件どちらかで勝たないといけないと思いますね。

水野:そういう厳しい見方になるんですね。

棟広:私はこの馬にはもっと期待していたので、1000万以下で着を拾っていたらダメだと思います。

水野:これは勝って当然だったというところですかね。

棟広:もうちょっと走ってほしいという3着でした。内容は悪くないですけどね。でも、準オープンクラスでも掲示板に入ったりしているわけじゃないですか。それを考えるとちょっと……とは思いますね。

水野:ただ、一つよさそうなのは、ジョッキーが「馬が完成形に近づいてきている成長を感じた」というコメントで、過去の成績は過去の成績であったとしても、馬が成長してきていることを感じてもらえているということは、この先このクラスは勝ってもらうとして、この次も期待できるかなと……。

棟広:たしかに成績のムラが無くなってきているので、このクラスを卒業したあとも相手なりには──相手なりに走っていま勝ちきれない面があるかもしれませんが、勝ったあとも、逆に言えば準オープンクラスで相手なりに走ってくれれば賞金を稼げますからね。その面はたしかに、ムラが無くなってきたのは喜ばしいことだと思います。



水野:そうですね。この馬はこのまま順調にいってほしいなと思います。
次がレトロクラシックです。最後のクラシック出走に願いをかけて紫苑ステークスに出走したわけですが、本当にこの差だからこそ余計に悔しい0秒4差の8着。8着という着順を見れば下のほうに思いますが、でも0秒4差ですからね。

棟広:そうなんですよ。このレース自体が、上位勢は全部差し馬が台頭したレースだったので、先行馬には厳しかったのです。この馬は正攻法の位置からの競馬、先攻しての押し切りを狙った競馬をしたので、着順が悪くなってしまったのは仕方のないところだと思います。たしかに着差の0.4という数字を見ると悪くありませんし、馬体が16㎏と増えていたことも、私は喜ばしいことだと思います。

水野:そうですか。

棟広:春から夏にかけて休養しているわけですから、そこで牝馬で増えてこないというのは、私はどうかなと思います。16㎏というのを見て、いい数字だなと思いました。
あと、この馬自体が休み明け初戦よりも叩かれてよくなる馬です。ですから、そういう面もあったと思うんですよね。

水野:このあとは?

棟広:これはいま「爪の問題で成長促進」となっていますね。
ただ、もちろん1000万クラスでもぜんぜんやれるでしょうね。

水野:これまで「なんとかクラシックに……」としてきましたから、これから本当にこの馬に合ったところを選べるのは、それはそれで落ち着いて考えていけるのでいいかなと思っています。

棟広:たしかに。



水野:続いてはゴッドフロアーです。ゴッドフロアーは7着。

棟広:前走の格上挑戦オープン特別で49㎏でした。それで期待されたのですが、やはりちょっと乗り難しい馬だと私は思うんです。単に後ろから行ってパッと最後に差す馬ではないと思うので、前走は斤量が軽かったということがありますが、テン乗りというのも大きかったと思います。今回は一番乗り慣れている四位洋文ジョッキーに戻ってきましたよね。
もう一つの材料は、京都で上がりが速くなってしまうと心配でしたが、そういった意味では、この雨というのもよかったと思います。今回斤量は増えましたが、一番よく乗れる、この馬を知っている四位ジョッキーに戻って、しかも雨が降ったのはこの馬にとってよかったと思います。
0.8秒差7着という結果だけを見ると平凡に映るかもしれませんが、この内容はよかったと思います。勝ったアルバートという馬は、のちのち重賞でも勝つような馬でメンバーも相当強かったので、そのなかでの0.8秒差7着は、このクラスに目処が立てられた内容だったと思います。このクラスで勝ち切ろうと思ったら、かなりの展開面の恩恵などさまざまなものが噛み合わないと厳しいと思いますが、舞台が揃えば入着して賞金を稼ぐことはできるなと感じました。
このあとステイヤーズステークスということで、距離が長いのは「どんとこい!」なので、出走できる枠があればと思いますね。



水野:期待しております。
続いてデストリーライズです。10月11日と11月1日二走していて、同じタイムではありますが、上がりとか着差など違う面が出てきています。いかがでしょう。

棟広:やはり追い込み一辺倒の脚質ということからも、馬場が少しでも渋るとこの馬にとってはよくないですね。ですから、初戦はやや重だったのが二走目は良になったことは、この馬にとっては望ましいと思います。やや重で37秒1しか使えなかった上がりが良で36秒2と、馬場がパサパサになって詰めてきている。ですから、着順で言えば11着から8着とそんなに変わっていないように見えますが、内容は大きく良化しました。
前に行った馬が有利な流れがありましたが、このクラスでもようやくやれる目処が見えたというのが前走の内容だと思います。一走目、最初のレースのときは、正直「まだやっぱりこのクラスでは厳しいかな」と思いましたが、この前のレースを見たら、「ようやくこのクラスに目処が立ったな」と思いました。地味には映りますけど、一戦ごとによさは見せています。
あと、この馬はまったく攻め馬で動かなかった馬ですが、前々走から前走のあいだの調教では、少し数字も詰めています。本当に地味ながらもこの馬自身の進化はあるので、このクラスで目処が立ったことは、喜ばしいことですね。



水野:デストリーライズは月曜日ダート1600mに出走予定となっていますね。期待しましょう。
続いてベイビーティンクの新馬戦です。レースはうまい具合に乗れていたなという……。

棟広:そうです。テンからの「行きっぷり」のよさとかも、ちょっとうれしい誤算と言ったらおかしいですが、「行きっぷり」がよくて、オッと思いましたね。4コーナーを回ってくるときの手応えも悪くない。伸びなかったですが、バテてもいない。この着順9着というのは平凡に映りますが、内容は決して悪くなかったと思います。
レース後の浜中俊騎手も「レースセンスのある馬だ」と言ってくれて、小崎憲調教師は、このレースを使っての良化を見て次をと思っていたのですが、浜中騎手が「この馬はセンスがある馬なので、センスをいいように伸ばしてあげたい」ということで、「もう一度立て直そう」という浜中騎手からの助言で、もう1回あいだをあけることになったんです。浜中騎手も悪くない感触だったので、もう1回間隔はあけますが、ちょっと期待できますね。いい内容だと思います。
距離面とか、ダートの血統の面もあるので、適性に関してはまだどういうところで走れるようになるかわかりませんが、この9着という着順よりも内容はよかったと思います。

水野:なるほど。血統的に見るとダートでもぜんぜんやれそうですよね。

棟広:そうですね。むしろダート馬になる、ダートのほうが合っている可能性もあります。適性については今回のレースだけではわからない面があるので、いろいろ試して、どこが合っているのか、それもまた調べていきたいですね。

水野:そうですよね。次にもっともっと着順を上げてきてくれたり、良化してくれるといいなと思います。

棟広:この馬は勝ち上がることはできると思いますね。



水野:続いてはゼロレボルシオンですが、残念ながら引退となってしまいましたね。

棟広:みなさん体はダート向きだとおっしゃったのですが、内容は芝とダートとでは明らかに芝のほうがいいです。この二走の着順も、10着、9着と着順はどちらも変わりませんが、着差を見ると芝では1.5のところがダートでは4.6になりますからね。これはもう明らかに適性は芝でした。その適性のある芝のレースに2回しか使えなかったのは、ちょっと悔いが残るところかなと思います。
500万で、最後10着で1.5秒差になっていますが、4コーナーを回ってくるまでの手応えはけっこういいんですよ。まず芝だとテンからいい位置につけることができるし、この前の芝のレースでも、4コーナーを回ってくるときには5着ぐらいあるかなと思いましたからね。長めの距離の芝に適性があったとは思いますが、脚下に問題があったので、故障などのことを考えると、やはりダートの選択はできなかったようで悔やまれますね。
ただ、ゼロレボルシオンは引退しますけど、ゼロ革命リターンズが始まります。



水野:ゼロレボルシオンで一口を始めた方も引き続き一口を楽しめるチャンスがあるのですね。無料で勝利まで味わえたら最高ですね。
続いてオーパルスです。こちらも長年がんばってくれましたが、引退となりました。

棟広:平地に再度戻されて、どういう競馬をするかとなったのですが、やはり2.1秒という大きな着差をつけられて、スピードに対応できませんでしたよね。

水野:うーん……。いきなりのこの距離の差もありますしね。

棟広:ありますね。それでも障害に転向して一つ勝ってくれたというのは、本当によくがんばってくれたと思いますよ。

水野:それも積極的な内容のレースの仕方で、見ているほうとしてはいきいき走っているように映ったので。

棟広:障害に転向して一つ勝てたというのは、すばらしいと思います。

水野:そうですね。もう7歳なので、出資者としても「本当に長い間楽しませてくれてありがとうございました」という感じですね。

棟広:最後はケガで引退という形ですが、本馬は無事で、乗馬になれるようですし、見舞金も未勝利勝ったくらいは出るようですから、馬主孝行でもあったように思いますね。



水野:乗馬になれるんですね。いつか会いに行ったときに、真っ白になったオーパルスを見てみたいですね。
最後が、ポノイの新馬戦です。5秒9離されてしまいました。

棟広:これはあれですよね……。

水野:言葉が出てこないですね……。(笑)

棟広:攻め馬を見ると、レース前の調教を見たら、ちょっときついなとは感じましたけど、それでもね……。

水野:国枝厩舎は「ちょっと太いな」とか、「まだかな」という感じで出ては来るんですけど……。

棟広:たしかにそれはよくあるんですけどね。広尾サラブレッド倶楽部としても、このポノイ、あとレトロクラシック、母のグレイスフルソング、全部最初はめっちゃ負けていますが、それでも5秒9はちょっと大きいですね。

水野:そうですね。次の予定が……。

棟広:国枝栄調教師も、北海道でこの馬を見ていたときはこの馬に対して評価が高かったんですが、こちらに持ってきてから体がどんどん増えたことを懸念していたんです。ですから、体が大きすぎる面を解消するために、中間で去勢して、まずシェイプアップをするということですね。

棟広:グレイスフルソングも初戦のころ、最初のほうは大敗していた。

水野:そうですね。勝ち上がるまでに時間が……。

棟広:同じ国枝厩舎のレトロクラシックも初戦は大敗しましたが、紫苑ステークスで秋華賞の出走権を狙うところまでは行っている。出だしは悪いけれども、そのあとなんとか格好をつけているので、それに期待したいということですね。

水野:そうですね。
ダイエットのために去勢するというのは、「えっ、そんなことを」って思いますけど……。

棟広:たしかに去勢すると20㎏ぐらい減ります。あくまでもそれは一般例で、まったく減らない馬もいます。だけど、だいたい去勢して手術して次のレースは20㎏ぐらい減ります。

水野:でも初戦後にそれをするというところが、「単なるシェイプアップじゃすまなかったのかな」と思いますが、反対に言うと「そこに期待を込めているのかな」という気もするし……。早いですものね、判断がね。(笑)

棟広:たしかにそれぐらい過激なことをしないといけない着差ですからね。

水野:でも20㎏ぐらいだったら、じわじわ痩せられそうな気が……。馬の20㎏ってそんなに重くないような気もしますが、そこで去勢という大きな判断に行ったということは、ダイエット以外に何かメリットがあることも含めてなのかなと。

棟広:ホルモン・バランスが変わって、人間でもフェミニンな感じになるように、馬でもそういうゴツゴツしすぎたところがシェイプアップされるという原理だそうです。

水野:そうなんだ……。これはもうじっと見守るしかないですが、期待している方も多いですからね。



棟広:以上で、今回のレビューは終了ですかね。そういえば、水野さんとうとうステラリード’14にご出資をされたとか?

水野:はい。先日、北海道ツアーに参加させていただいて、やっぱり対面してしまうと放っておくわけにはいかない気持ちになりますよね。 

棟広:今は、もう淡路島にいるんですよ。エミオンステーブルの本場ですね。

水野:予定よりもずっと早く移動になりましたね。ツアーの時は年末、年明けとおっしゃってましたので。淡路島って栗東からのアクセスはいいんですか? 

棟広:アクセスはぜんぜんいいと思います。淡路島から神戸に抜けたら、そのまま高速だけで行けますしね。展示会でステラリード’14については脚の短さを指摘されてたそうですね(笑)


水野:パッと見た時に、脚短いなって思っていたんですよね。ステラリードもわりと長かったし、その妹もスラッと長かったですし。「短い」といったあと少し場の雰囲気が悪くなったように感じましたが、脚が短いというのは特徴の一つですよね?

棟広:そうですね。個体の特徴の一つです。重心が低い走りができて、回転数が多くなる“ピッチ走法”の馬が多いですね。短距離馬に比較的多く見られますが、長距離を走る馬もいますよ。ダートでいえば、ブロードアピール。ドリームジャーニーなんかも芝の中・長距離で活躍しましたがピッチ走法でしたね。

水野:マラソンで外国の方は長いストライドで走りますけど、日本人はピッチ走法ですね。Qちゃんみたいなイメージですね。短いほうがケガもしにくいかもしれないですし、いいなと思ったんですけどね。

あとは、ステラリードは脚が長くて気性が荒いという特徴が。(笑)でも、このあいだ子どもはを見たときは脚が短かめで子どもっぽい感じ。この時期はどんどん変わっていきますから大人になっていくのを見守るのも楽しみです。



棟広:そうですね。水野さんはステラリードも持っていらっしゃったんですね。

水野:そうなんです。持っていたんです。

棟広:とてもいいじゃないですか。

水野:初めて持った馬だったんですよ。

棟広:それはすごいですね。すばらしい。

水野:持ったら勝つんだぐらいに思っていて。(笑)

棟広:でも、ほとんど勝ってますから、いいんじゃないですか。

水野:はい。ぜひこの仔も応援していきたいと思います。
本日はありがとうございました。 

棟広:こちらこそ、ありがとうございました。



-----関連募集馬-----
↓今回、水野さんにご出資いただきました。
ステラリード'14 牝 (父:シンボリクリスエス)
募集価格:2200万円 一口価格:5.5万円 募集口数:400口

グレイスフルソング'14 牡 (父:ステイゴールド)
募集価格:2500万円 一口価格:1.25万円 募集口数:2,000口

ベイビーローズ'15 牝(父:スマートファルコン) 11/27(金)通常募集開始
募集価格:0円 一口価格:0円 募集口数:4,000口