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小手川調教師インタビュー



――こういう状況ですので牧場へ行く機会もなくなってはいると思いますが、フィルメーザ(コスモライセンス'18)についての印象を教えてください。

小手川師:最後に見たのは3月の半ばくらいなんですけれども、本当に順調にいっていますね。体重が落ちたり、毛づやが落ちたりと波はありますが、その度に課題を乗り越えてくれています。前回に見たときは多少疲れがありましたが、また乗り込めているようです。1度体調を崩すとがたっと落ちてしまう馬がいる中で、この馬はそこで1ランク上がって、見る度に良くなっている印象です。





――期待のほどは?

小手川師:小さくまとまっていない馬ですからね。変に仕上がり早というわけでもないですし、これから大事に育てていきたいです。自分の中では芝の中距離のイメージです。本当に楽しみな馬です。

――3月に開業して、2カ月経ちました。開業してみていかがですか?

小手川師:開業前にもシミュレーションはしていましたが、実際動いてみて改善点がたくさん出てきています。もう少しこういう風にやって行きたいだとか、スタッフからも自主的にアイディアが出てきています。みんなやりがいを持ってやってくれていますね。逆に調教師がいらないくらい(笑)ありがたいです。

――調教師をめざしたきっかけは?

小手川師:この世界に入るときから調教師への漠然とした憧れみたいなものはありました。30代くらいの頃は持ち乗りの仕事がすごく楽しかったし、自分が生きるので精一杯だったのもあって、周りを見る余裕がありませんでした。40すぎくらいになって余裕ができて、調教師になろうという思いがまたぼんやりと出てきたときに、それを察してかはわからないですが師匠である小檜山先生が「受けてみないか」と。やるなら短期集中でと思っていたところで1年目に落ちて、火が付きました。悔しかったんでしょうね。小檜山厩舎で同時期に青木調教師が先に受かって、刺激を受けたのもありますね。近くで頑張っていたのも見ていましたからね。

――今後の目標は?

小手川師:まずは初勝利が目標です。積み重ねだと思っていて、いきなりG1が降って湧いてくるわけではないので、まずは厩舎の基礎固めですね。1つ1つクリアしていけば結果につながってくると思っています。持ち乗りをやっていた経験から競馬が簡単に勝てるものじゃないというのは身に染みてわかっていますから。見つかった課題を1つ1つクリアしていこうと思っています。攻め馬もスタッフからいろんなアイディアが出てきています。小檜山厩舎にいたときにすごく自由にやらせてもらっていて、「任せる」と言われたのが自分の中でモチベーションになっていました。そういう部分は引き継いでいきたいと思っていて、チームの中で自主性を尊重するようにしています。

――厩舎の強みはどういうところですか?

小手川師:みんな楽しそうに仕事しているのが1番です。下向いてやるような仕事はしたくないですからね。話しながら乗り運動をしていると不思議と馬って暴れないんですよね。人間がリラックスしているのを背中で感じるんでしょうね。そういう雰囲気づくりを大切にしていきたいと思っています。

――最後に会員のみなさんに向けてメッセージをお願いします。

小手川師:早々と満口になってすごくうれしいですし、いい意味でのプレッシャーも感じています。もちろん期待している馬ですし、自分も競馬ファンからこの世界に入ったので、同じ目線で育てていけたらいいなと思っています。


今回取り上げられた小手川準調教師管理予定馬
満口フィルメーザ(コスモライセンス'18)
美浦・小手川準厩舎予定
2歳 栗毛 2018.04.09生 日高産
:タートルボウル:コスモライセンス (母の父:アグネスタキオン)
販売総額 1,300万円 / 総口数 2000口
一口価格 6,500円
プラスビタール・スピード遺伝子検査結果=C・T型