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Online Racing Salon Vol. 20 Hiroo no Reiwa 尾関知人調教師と共に ※後編
21.10.22 - Racing Salon

今回は「NO HORSE, NO LIFE!」でお馴染みの尾関調教師をお迎えします。 
※前回の前編に引き続き・後編をお届けさせていただきます。


米山尚輝(以下、米山):グランソヴァールの引退は残念でしたが、本馬について、今改めて振り返っていただけますか?



尾関知人(以下、尾関):2歳の早い時からですね、デビューできそうで、頓挫したり5歳までの長い間厩舎に居てくれて競馬でも頑張ってくれましたし、性格も前向きでしたね。歩くのも並足でもスタスタという印象があります。若駒たちのいい兄貴分でしたね。
調教も走るのでいいパートナーだったと思います。本当に頑張ってくれた馬でした。
未勝利のころでも、この馬はいいところまでいくな!と思っていました。
障害チャレンジもすぐに習得していい時計でしたし、厩舎に本当に貢献してくれた思い出深い馬でした。
 
 

米山:本馬の一番印象に残っているレースを挙げるとするとどのレースでしょうか?



尾関:一番と言われますとあれですが、やはり印象に残っているのは、持ったまま楽勝した1勝目。。あとは年末に武豊さんに乗ってもらってゴール前で差し切ってくれた競馬でしょうか。最初と最後の勝ち星という感じですね。
 


米山:性格的に大人しいイメージもありましたが、人間で例えると、どういったタイプだったのでしょうか?



尾関:本当に真面目で煉獄(注釈あり)さんみたいですね。

※煉獄杏寿郎とは、漫画「鬼滅の刃」の登場人物。
「罪なき人に牙を剥こうものならば この煉獄の赫き炎刀が お前を骨まで焼き尽くす!!」
(れんごくさん)誰よりも熱く、誇り高き精神を持つ者

そして、走ることに真面目でご飯もよく食べる仔でした。

 

米山:競走馬の余生に関してのお考えなどありましたら、教えてください。



尾関:本当に難しいところですね。馬達に支えられて、生活させてもらってありがたいです。競走馬の現場では通常、馬達が入厩してきて卒業していくというサイクルで、循環しています。全部やれるかという中でやれる限り最後まで幸せになってもらえるように思っています。簡単なことではないですが常に心掛けています。
 


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ここで、皆様に重大なお知らせがあります。
 
・中山競馬場で誘導馬としてのデビューを楽しみにしている会員様も数多くいらっしゃいます。本馬の今後の見通しについて、気にかけていただいていたと存じます。
 
「あまりにも悲しい訃報となりますが、下記、逝去の際のお知らせをお伝えいたします。(2021年9月1日)
 
グランソヴァールは中山に移動して誘導馬になる準備をしていたようですが、昨朝厩に行ったら、亡くなったそうです。最初、寝ているのかなという感じだったようですが、病名としては急性心不全ということでした。
解剖してみたところ、少し腎臓が痛んでいる程度で、治療をして腎臓が痛むことがありますが、極端な治療もしていないですし、その他ハッキリとしたことまでは分からなかったそうです。厩で暴れた様子もなく、馬房が荒れているという感じではなかったようで、キレイに亡くなっていたそうですので、そのあたりは救いかとは思います。
競馬会の方も気を使ってお電話くださったのですが、しっかりと供養させていただきますということでした。
先週か先々週には中山競馬場に移動して誘導馬としてのデビューもという方向性だっただけに残念なのですが、ご出資されていた会員様にはお伝えしたいという想いもあり、このような形でのご連絡となりましたことお許しください。
  
10/19で、人でいう49日にあたると思いますが、
クラブとしましても、グランソヴァールの逝去につきましては、今でも信じられない想いでおります。
まだまだお元気で、これから中山競馬場で誘導馬としての活躍を楽しみにしておりました矢先の出来事でした。
ご出資の皆様をはじめ応援くださった皆様のご心痛はいかばかりかと存じます。
弔問にもお伺いできず、とても残念でなりません。

本馬を応援してくださった会員の皆様に対しまして、申し訳ない気持ちでいっぱいです。

この度は思いがけないご訃報に接し、皆様へのご報告が遅れましたことどうかお許しください。
チーム広尾の仲間として、頑張り続けてくれたグランソヴァールへの「ありがとう」という感謝の気持ちと共に、
遅ればせながら、謹んでご冥福をお祈りいたします。