合田直弘さん解説 広尾サラブレッド俱楽部 2025年7月募集馬について
25.07.11 - 合田直弘のWorld Standard
Wildwood’s Beauty 2024
騎乗者が扶助を行うことなく、その馬が生来からして持ちうる速力を「クルージング・スピード」と称する。
言葉を変えれば、鞍上が微動だにしないまま、馬自身が気持ち良さそうに四肢を伸ばして高速で疾走する姿が、いっぱいの風を帆にはらんで音もなく推進する帆船のように見えることから、そのような表現が生まれたのであろう。
洋上に吹く風を頼ることなく、自らの推進力で少しでも速く前に進もうとするのが競走馬だ。
そして、世界的に見ても最も高速な「クルージング・スピード」を有し、しかもこれを持続的に発揮することが出来るのが、アメリカの血脈を背景に持つアメリカ調教馬である。
速さを追及する米国競馬に出現した、究極の完成形といえるサラブレッドが、2022年の全米年度代表馬フライトラインだ。言うまでもなく、本馬の父である。
現役時代の戦績、6戦6勝。4歳の9月、米国西海岸の精鋭が集うデルマーのG1パシフィッククラシック(d10F)を、19.1/4馬身差で快勝。このパフォーマンスをもってして、ヨーロッパのフランケルに比肩するレーティング140を獲得。米国競馬史でも屈指の能力を持つ名馬中の名馬との評価を得た馬であることは、競馬ファンの皆様には改めて説明するまでもないかもしれない。
昨年秋のこのコラムでも記したが、これだけバランスのよい走りをする馬を、筆者は見たことがない。
この馬より力感に溢れた馬、ギアチェンジが鮮やかな馬、あるいは闘争心をむき出しにした馬は、何頭か見た記憶があるが、全身を無理なく無駄なく柔らかく連動させて推進し、究極ともいえるスピードの絶対値を体現し続けた馬を、筆者は他に知らない。
フライトラインは、14年から16年まで3年連続で北米リーディングサイヤーとなったタピットの、最有力後継馬であることは間違いなく、種牡馬として計り知れないほど大きな期待を背負っている。ラストランとなった22年のG1BCクラシックの直後、フライトラインの2.5%の権利がキーンランド・ノヴェンバーセールに上場され、460万ドルで購買された。これをもとに算出すれば、フライトラインの総価値は1億8400万ドル、当時のレートで換算して約270億円という天文学的数字になることが、競馬サークルを超越した話題となった。種付け権利の入手が容易ではないことは、言わずもがなで、その初年度産駒の1頭に出資できるチャンスがあるということ自体、競馬ファンからすれば生涯に一度の僥倖と言えよう。
これも昨年秋のコラムで記したが、本馬の母ワイルドウッズビューティもまた、米国で走り、4つの準重賞を含む7勝をあげた他、キ-ンランドのG1マディソンS(d7F)4着を含めて4重賞で入着した活躍馬だった。
勝利した4つの準重賞のうち、3つは2着以下に3馬身以上の差をつける楽勝で、勝つときの鮮やかさには定評があったのがワイルドウッズビューティである。
さらに、2歳11月のデビューからラストランとなった6歳10月まで、31戦を消化。その壮健さは、必ずや産駒にも伝わるはずだ。同時に、ワイルドウッズビューティは2着が11回あり、58%という高い連対率を誇った馬だ。肉体面の壮健さだけではなく、どのような状況下でも確実に上位に食い込む、強い精神力も持った牝馬だった。
本馬は、その母の初仔となるが、充分な馬格をもって生まれてきた。
馬にとって優しいばかりではないケンタッキーの風土の中で、心身が大いに鍛えられ、栄養価の高い青草をたっぷりと食い込み、壮健な若駒に育ちつつある。素直で従順な性格と聞いており、今後の馴致・育成も順調に進むことだろう。どのような競走馬に育つか、その過程を見守るのが楽しみである。
Belcarra 2024
6月17日から21日まで、英国王室所有のアスコット競馬場を舞台とした「ロイヤルアスコット」を取材してきた。
今年のロイヤルアスコットは、グリーンチャンネル開局30周年特別企画として5夜連続で生中継されたので、御覧になった日本のファンも多かったと思う。5日間で19もの重賞競走が施行されるだけでなく、チャールズ国王やカミラ王妃が連日お見えになり開催に花を添えるという豪華さは、まさにここにしかない競馬であった。
クールモア、ゴドルフィンらをはじめとしたスーパーパワーたちも、ロイヤルアスコットには巨大戦力を惜しげもなく投下して戦果を得ようとする。今年目に付いたのは、クールモア・スタッドが所有する2歳世代の水準の高さだった。ロイヤルアスコットには、2歳馬の重賞が4競走組まれていたが、このうち3競走を制したのが、クールモアが所有しエイダン・オブライエンが管理する馬たちだったのだ。
実は、オブライエン厩舎の2歳世代には、5月25日にカラで行われたG3マーブルヒルSを含めて2戦2勝のアルバートアインシュタイン(牡2.父ウートンバセット)という大物がいるのだが、調教師自らが「うちの2歳でナンバーワン」と豪語する同馬が、軽い故障でロイヤルアスコットを回避。エース格を欠きながら、3つの重賞を制したのだ。開催リーディングこそ、僅差でJ&T・ゴスデン厩舎に譲ったものの、今後に向けてオブライエン厩舎は計り知れない伸びしろを持つと言えよう。
閑話休題。クールモアの所有する若駒たちは、多彩な血統背景を持つことで知られる。具体的に言えば、欧州の王道と言うべき骨太の血脈に、欧州各国はもとより、米国、南米、豪州、さらには日本から優れた血を注入し、血統の進化と活性化を図っているのがクールモアなのだ。父系、母系問わず、古今東西の優秀な血脈を、近代競馬に合うようにブレンドを施し直して、名馬を送り続けているのである。
そんな彼らが頼りにする1つが、底力や頑健さを伝えると言われるドイツの血脈だ。ロイヤルアスコットの重賞を制した3頭の2歳馬のうち、G2ノーフォークS(芝5F)を制したチャールズダーウィン(牡2.父ノーネイネヴァー)は、配合表の5代目にロンバード、アナテヴカという、2頭のドイツ産馬の名がある。
種明かしをすれば、チャールズダーウィンの母の父の母はアーバンシーで、アーバンシー自身は米国産馬だが、同馬が2代目に持つのがロンバードとアナテヴカである。アーバンシーとは言うまでもなく、クールモア繁栄の礎の1つとなったガリレオの母で、彼を通じてドイツ血脈を持つクールモア所有馬が多いことは言うまでもないのだが、ガリレオを経由しない形でのドイツ血脈の導入も、彼らは試みている。例えば、現役のG1・3勝馬ロサンゼルス。同馬の5代母が、アーバンシーの祖母アナテヴカで、この牝系に代々、リヴァーマン、キングマンボ、ダンシリ、キャメロットを交配して誕生したのがロサンゼルスだ。
話は長くなったが、本稿の主役Belcarra 2024も、背景に持つのはドイツ血脈である。
本馬は英国産で、母ベルカラは愛国産馬だが、その母ベラクーラも、その母ベヤリアも、ドイツで生まれ、ドイツで勝ち馬となっている。ベラクーラの兄弟には、G2ヨーロップカーマイレ(芝1600m)やG3エッティゲンレネン(芝1600m)を制したベルナルドン、G3バーデン貯蓄大賞(芝2000m)を制したブダイと、ドイツにおける重賞勝ち馬が2頭いる。ベルカラの3代母ブリジダは、当時はG3だったドイツ1000ギニー(芝1600m)勝ち馬だ。
ドイツと言えば、24年を例にとれば、G1に格付けされている7競走のうち5競走が2400mという、2400m戦偏重の番組編成を行っている国だが、そんな中にあって、1600mを中心に2000m以下で活躍馬を出しているのが、このファミリーのポイントのひとつである。
昨年秋の本稿でも記したが、ベルカラの母の父はロミタスで、祖母の父がケーニッヒシュタールと、ドイツにおける名馬にして名種牡馬を、代々配合されているのも筆者の好みである。
こういう配合で生まれたベルカラは、2歳秋にLRシーザムーンレネン(芝1400m)を制し、3歳春にG3シュヴァルツゴルトレネン(芝1600m)を制覇。そして、G2ドイツ1000ギニー(芝1600m)で3着となっている。仕上がり早で、素軽さも備えていたのが、ベルカラだった。
この牝馬に交配されたのが、ガリレオの半弟で、ヨーロッパのトップサイヤーとして君臨するシーザスターズだ。母系に色濃く流れるドイツ血脈と、シーザスターズから流れ込むドイツ血脈が、日本で奇跡のケミストリーを起こす瞬間が、待ち遠しくてならない。
Malakoot 2024と、Anasheed 2024の父は、シェイク・ハムダンの競馬組織シャドウェルが生み出した最高傑作バーイードである。
バーイードのファミリーラインの源泉は、かつて英国の王室スタッドが所有していた秘蔵の血脈に遡る。バーイードの6代母が、国王エリザベス2世が生産所有し、G1英1000ギニー、G1ディアーヌ賞(=仏オークス)の2冠を制したハイクレアである。
それがフランスで見た初めての競馬だったエリザベス女王は、ハイクレアの仏オークス制覇をことのほかお慶びになり、その日の夜に関係者をウインザー城に招いての祝宴を開催。ディック・ハーン調教師とジョー・マーサー騎手は、搭乗していた帰国便のコックピットの無線を通じて祝宴への招待を受け、空港に到着するや着替えをする暇もなく迎えの車に乗り込み、ジーンズ姿のままお城の晩餐に参加したという、有名な逸話が残されている。
ハイクレアは仔出しの良い母で、繁殖入りするや4年連続で出産。2番仔から4番仔までの3頭はいずれも牝馬で、しかも3番仔と4番仔は父がいずれもバスティーノだったことから、4番仔のハイトオヴファッションを手放してしまったことが、王室にとっては末代まで祟られる不運の始まりとなり、ハイトオヴファッションを手に入れたシャドウェルは、黄金の小槌を手にしたことになった。
牡馬を破ったG2プリンセスオブウェールズSを含めて3重賞を制したハイトオヴファッションは、4歳となった83年に繁殖入り。ノーザンダンサーを交配されて生まれた初仔アルワスミが、G3ジョンポーターSを制覇。同じくノーザンダンサーを父に持つ2番仔アンファウェインは、G2ジョッキークラブSなど4重賞を制した他、G1キングジョージ6世&クイーンエリザベスS2着の成績を残した。そして、ブラッシンググルームを交配されて生まれた3番仔ナシュワンが、G1英2000ギニー、G1英ダービーの2冠を含む4つのG1に勝利する大活躍を見せた。さらに、晩年にガルチを交配されて生まれたネイエフが、G1インターナショナルSなど4つのG1を含む8重賞を制し、ハイトオヴファッションは高齢になっても良い子を出し続けた。
そのハイトオヴファッションに、初めてミスタープロスペクターが交配されて1990年に生まれたのが、バーイードの4代母となるバシェイヤーだ。バシェイヤーは、シャドウェルが冠スポンサーを務めていたLRチェシェアオークス2着などの成績を残した後に繁殖入り。アラジを交配されて1996年に生まれたのが、バーイードの3代母となるラハイーブだった。
現役馬としては1勝を挙げたに過ぎなかったラハイーブだったが、繁殖入り後にシングスピールを交配されて2003年に産んだラフドゥードが、米国でG1BCフィリー&メアターフなど2つのG1を制覇。そのラフドゥードにキングマンボが交配されて、2009年に生まれたのが、バーイードの母アガリードだった。
シャンティーを拠点とするジョン・ハモンドが管理したアガリードは、3歳時に5戦。ロンシャンのLRリアンクール賞を含めて2勝を挙げた後、繁殖入りした。
アガリードに初めてシーザスターズが交配されたのが、同馬にとって4年目の繫殖シーズンとなった2016年で、翌17年に生まれたのがフクムだった。ランボーンを拠点とするオーウェン・バローズが手掛けたフクムは、2歳9月にデビュー。2戦目から3連勝でG3ジェフリーフリアS(芝13F61y)を制し、重賞初制覇を果たした。2番人気に推された次走のG1セントレジャー(芝14F115y)は5着に敗れたが、4歳を迎えると順調に出世の階段を上昇。この年は7戦し、G3カンバーランドロッジS(芝11F211y)など3重賞を含む4勝をあげた。フクムが本格化したのが5歳春で、3月にメイダンでG2ドバイシティオヴゴールド(芝2410m)を制したのに続いて、6月にはエプソムダウンズのG1コロネーションC(芝12F6y)を4.1/4馬身差で完勝し、欧州12F路線の最前線に台頭した。
フクムはその後、右後肢球節部に骨折を発症。複数のボルトを埋め込む手術が行われ、5歳シーズンの後半を全休した。しかし、1年近い休養期間を経て、フクムは6歳春に戦線復帰。サンダウンのG3ブリガディアジェラードS(芝9F209y)で、前年のG1英ダービー馬デザートクラウンを2着に退けて制し、鮮やかな復活。返す刀で、アスコットのG1キングジョージ6世&クイーンエリザベスS(芝11F211y)でも勝利し、驚異の復元力を見せつけた。
フクムは、生まれた頃から出来の良い産駒だったのだろう。アガリードの2017年の交配相手にもシーザスターズが選ばれ、2018年4月8日にバーイードが誕生した。
人間の世界でも、全兄弟なのにまるで違って見える、性格がまるで異なるというのは、往々にしてあることだ。言うまでもなく、フクムとは全兄弟にあたるバーイードだが、競走馬としてのキャラクターは似ても似つかぬものだった。
アガリードにシーザスターズの交配というのは、ミスタープロスペクターの4×3×5と、ノーザンダンサーの5×5を、いずれも内蔵する構成になっている。
狙いは、シーザスターズが3代目に、アガリードが2代目に持つミスタープロスペクターをシンクロさせることで、それぞれの直仔であるミスワキやキングマンボのスピードや瞬発力を覚醒させるのが、この配合の主眼であったと推察されるが、フクムという個体の中ではむしろ、ノーザンダンサーの5×5が発動。これがサドラーズウェルズやインザウイングス、サーアイヴァーといった因子を活性化して、体力があり、持続力があり、復元力がある競走馬に育ったのではなかろうか。
その一方で、バーイードの個体では、狙い通りのケミストリーが発生したようだ。ニューマーケットを拠点とするウイリアム・ハガスが手掛けたバーイード。デビューは兄より9カ月ほど遅い3歳6月となった。
レスターのメイドン(芝8F53y)に出走したバーイードは、レースの何たるかをまだわかっていなかったようで、ゆっくりとゲートを出ると、右に行ったり左に行ったり、馬群後方でフラフラしながらレースを進めた。ストライドが安定し始めたのは、レースも半ばを過ぎた辺りで、残り1Fから大外を跳ぶように伸びて優勝。デビュー勝ちを飾った。
それが快進撃の始まりで、3歳時は秋まで6戦し、G1ムーランドロンシャン賞(芝1600m)、G1クイーンエリザベス2世S(芝8F)という2つのG1を含む6連勝。4歳シーズン前半もマイル路線に特化し、G1ロッキンジS(芝8F)、G1クイーンアンS(芝8F)、G1サセックスS(芝8F)を3連勝。ここで陣営は、満を持して距離の延長を敢行。バーイードの次走にヨークのG1インターナショナルS(芝10F56y)を選択したのである。前年のこのレースを6馬身差で制していたミシュリフに、6.1/2馬身差をつけるという圧倒的なパフォーマンスで、バーイードはインターナショナルSを制覇。いともたやすく、二階級制覇を成し遂げたのである。インターナショナルSと言えば、怪物フランケルが初めて10F路線に挑んだのも10年前のこのレースで、バーイードは歴史的怪物の再来と、競馬サークルは大きく沸くことになった。
好事魔多し。フランケルと同じく、アスコットのG1チャンピオンS(芝9F212y)をラストランに選択したバーイードは、重馬場にいつものパフォーマンスを封じられて4着に敗退。無傷の引退を飾ることは出来なかった。
しかし、その一戦のみでバーイードの価値が下がるわけがなく、2023年からシャドウェルのビーチハウススタッドで供用を開始した種牡馬バーイードの人気は沸騰。Wildwood’s Beauty 2024の項目で触れた米国のフライトライン同様、種付け権利の取得は容易なことではなく、それだけに、広尾のラインアップに2頭のバーイード初年度産駒がいることは、世界的に見ても奇跡的なことと言って間違いないと思う。
そのうちの1頭、Malakoot 2024は、祖母がカラのG1プリティポリーS(芝10F)やヨークのG2ミドルトンS(芝10F56y)を制した他、牡馬の精鋭を相手にG1コロネーションC(芝12F6y)3着、G1ドバイシーマクラシック(芝2410m)3着の成績を残したアンビヴァレントという血統背景を持つ。
母の1歳年下の妹に、G1ヴェルメイユ賞(芝2400m)を制し、牡馬相手にG1BCターフ(芝12F)で3着に入ったティオナがいる。ティオナの父はシーザスターズだから、ティオナと本馬(父バーイードでその父シーザスターズ)の血統構成には、極めて近しいものがある。さらにティオナは、Good to Firmという馬場状態だったウインザーのLRオーガストS(芝11F99y)を3.3/4馬身差で快勝し、Firmという馬場状態だったG1BCターフ(芝12F)で3着に入っているように、クイックな馬場を得意としていた馬であったことは、ここに是非記しておきたい。
母マラクートにとっての初仔となるが、ゆったりとした作りの優雅な馬体を、映像で是非ご確認ください。
もう1頭のバーイード産駒、Anasheed 2024。母はバーイードと同じシャドウェルによる生産所有馬で、現役時代に同馬を管理したのは、フクムのオーウェン・バローズだった。
祖母ハスラーもまた、シャドウェルによる生産所有馬で、ケンプトンのLRマサカS(芝8F)を制した他、ドンカスターのG2メイヒルS(芝8F)2着、ニューマーケットのG1英1000ギニー(芝8F)3着などの成績を残した活躍馬だった。
ハスラーの仔ハッダーサ(父シーザスターズ)も、ヤーマスのLRジョンムスカーS(芝10F23y)に勝ち、ロンシャンのG1オペラ賞(芝2000m)で3着となった馬だった。
さらに、ハッダーサの仔アルウスン(父ドゥバウィー)は、2023年にグッドウッドのG1ナッソーS(芝9F197y)を勝ち、ロンシャンのG1オペラ賞(芝2000m)で4着に入った馬だった。非常に活気ある牝系であることは間違いない。
本馬は2月生まれで、体高は既に147.32cmあり、馬格という面でも申し分がない。
本馬には起爆剤が3つ搭載されており、1つはアーバンシーの3×4、1つは母の父フランケルで、1つは父バーイードだ。3段ロケットが点火し、世界の果てに飛翔する馬に成長することを期待したい。
総括
昨年秋のコラムでも記したが、これだけのラインナップの若駒を揃えられるのは、広尾が長きにわたって、内外のトップホースマンたちと篤いネットワークを構築してきたからこそである。
ロイヤルアスコット最終日に行われたG1クイーンエリザベス2世ジュビリーS(芝6F)の結果を見れば、今や、日本でトップクラスに登りつめることは、世界の頂きに手が届くことを意味する。
広尾の秘蔵っ仔たちが、日本のクラシックを獲り、世界の頂点に立つ日が、まもなく来ると確信している。