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野中賢二調教師インタビュー(後編:ミスフィアファクター'16について)



野中賢二調教師インタビュー前編はこちら


堀:次にエイシンブルズアイの半妹ミスフィアファクター2016についてお聞きします。
近況は下記の通りです。
Northwest Stud在厩。おもに日中放牧による管理が続けられています。体高155cm(7月下旬測定)
「健康状態はすこぶる良好ですし、精神面も素晴らしく、全てにおいて従順で順応性が高い馬ですね。放牧以外にも毎日しっかりと引き運動を行っており、本馬の場合は、今すぐにでもブレーキングを開始できるくらいの状態。うちの同世代の中でもトップ3に入る器とみています。歩く姿の良さ、そして一完歩の可動域の広さ。動画からもその雰囲気を感じ取っていただけるのではないでしょうか。セールスポイントは、バランスとフレームの良さ。馴致が始まれば、さらに際立ってくると思います」(アルフレド・リチョアマネージャー)

立ち写真、動画をご覧いただいての感想をお聞かせください。




野中:馬はしっかりしていますね。ブルズアイとはタイプは違いそうです。牝馬にしたら本当にしっかりしています。ブルズアイは細身で華奢でした。ブルズアイはトレーニングセールで買ってきました。その時の決め手はトレーニングセールだからというのはありますが、いい動きをしていて、時計もそこそこ出ていて、気に入った馬たちの中で日本向きなのを選びました。ブルズアイの常歩(なみあし)もよかったですね。

堀:本馬の常歩(なみあし)はいかがですか?

歩き
https://www.youtube.com/watch?v=0n_9BoQlPCA

放牧

https://www.youtube.com/watch?v=mzqwB3YjFD8


野中:(調教を積む前の)この一歳の時期の常歩(なみあし)はあまり参考にならないですね。放牧地の動画の方が自然に見えるように調教を積む前は人に引かれていやいや歩いているようなものです。まだ分からないですが、距離はブルズアイ同様に短そうですね。アメリカの馬らしくパワー型に出そうです。

堀:エイシンブルズアイと比較して走り方(歩き方)や馬体面など違いはいかがでしょうか。

野中:本馬の方がボリュームがあり、筋量が多い、おしりもしっかり、肩の筋肉もしっかりしています。距離が短めでパワー型であることはいいことです。非力な馬ですとダートは走れませんし、選択肢がなくなります。



堀:血統アドバイザーの竹内啓安氏は父であるカナダの2 歳チャンピオンUncapturedは、Storm Cat 系×Roberto 系の配合であり、日本馬場への適応は高く、Miss Fear Factor は、Siphon の異系の血が入っているうえ、Irish Song≒Eridanの3×3 などの配合テクニックも使われており母父として威力を発揮する血統であり、エイシンブルズアイの出現は偶然とは考えられないと評価しており、本馬は2 歳戦からスピード能力を武器に活躍してくれるであろう配合と評しておりますが、先生からこの血統はどうですか?(竹内啓安の血統診断)

野中:Siphonの底力は他とは違いますからね。好きな人は本当に大好きな血統だと思います。ブルズアイの時もある血統評論家は面白い血統を引っ張ってきたねと言ってましたね。

堀:会員様からの質問ですが、
『2歳戦で重賞を勝つような活躍する馬にするためにはどのように1歳、2歳の調教を行えばいいでしょうか。』

野中:トレーニングセール出身の馬は四歳くらいで終わってしまう馬が多いのですが、ブルズアイは長く活躍してくれていますね。うちは比較的馬に合わせて使っているからか長持ちします。
その馬の資質だと思います。成長が遅い馬で慌てても馬は壊れますし、他の厩舎さんのお話になりますので名前は伏せますが、遅い成長のタイプの子を出す血統馬の子がいたのですが、早目のデビューをさせる方針の中で2歳デビューで人気になっていましたが、負けて、そのあとも色々なところに問題が出て勝てないでいますからね。素質はあると思ってましたが、もったいないと思います。

馬ではなくて人の主導で早くしてしまうとよくないです。人間でも同じで若いうちに過度なトレーニングをすると成長が止まってしまうし、体操選手でも筋力をつけすぎて背が伸びなかったりしますよね。故障もおきやすくなります。

今の競馬は3歳の9月で終わってしまいますが、4歳でも使えるようにはしてほしいですよね。4歳で成長する馬なんてなんぼでもいますし、今の番組体系はすごいいい馬も引退せざるを得ない状況にさせていると思います。

登録頭数制限や馬房制限もありますから厩舎としては回転もさせなくてはいけなくなっています。余裕がある馬主さんや牧場はそれでもいいでしょうけれども、全体としては厳しいですね。



堀:次の質問です。

『外国馬ですが、日本にいつころ持ってこられますか?』

野中:いろいろな考え方がありますが、この馬の場合は、向こうでブレーキングした方がいいのではないですかね。こちらは寒いですし、せっかくフロリダのいい環境で育成牧場も実績のあるところですしね。
春ならば、輸入経費のこともありますし、三月、四月のトレーニングセールを勝った馬と一緒に持ってくるのがいいですかね。(※一般的に複数頭一緒に輸入するとコストが下がります)

アメリカの育成のいいところはいい意味で細かすぎず、馬のストレスはないですね。育成場がどこまでやってくれるかにかかっていますが、有名なところですしね。あまり信用のない育成牧場でしたら手元でやりたいところですが、この牧場であればいいのではないでしょうか。



堀:『先生はマル外の実績を多く持ってらっしゃいますが、マル外について気をつけられている点はありますか?もしくは優位点などはございますか?』

野中:マル外だからというのは特にないですかね。その馬にあった成長をさせるのが重要です。

堀:他にも会員の皆さまからも質問を頂戴しております。今までの質問でカバーできていない質問をさせていただきますね。

『まだ来日前ですが期待できそうですか?期待できるならば、この馬の何に対して期待してますか?』

野中:ブルズアイの下だし期待してますよ。このお母さんの子どもは走りますし、馬格のあるところ、筋力に優れたところに期待します。アメリカ馬ならではのスピードもありそうですし。



堀:『兄はデビュー前の時点で重賞勝つ予感がありましたか?本馬は予感しますか?』

野中:初めての調教で祐一(福永騎手)を乗せて、追い切りを見ていて、G1いけるかも、と思いましたね。新馬は楽勝だな、あたりを引いてきたなと。トレーニングセールだから長く持つかというところがありましたが、よく頑張ってくれています。ある程度把握できるのは追い切った時ですね。

堀:最後に、会員様からのメッセージも頂戴しています。
『ミスフィアファクター'16に出資させていただきました。応援しています!』
『ドゥオーモで一口馬主初勝利いただき、ありがとうございました。』


野中:はい。精一杯させていただきます。

堀:本日はありがとうございました!引き続き、よろしくお願いいたします。

野中:こちらこそ、よろしくお願いいたします。



≪今回特集した募集馬≫
(外)Miss Fear Factor'16

牝1歳 鹿毛 2016.02.04生 米国産
父:Uncaptured 母:Miss Fear Factor (母の父:Siphon)
販売総額 2,500万円 / 総口数 2000口
一口価格 12,500円

出資申込はこちら

≪関連特典≫