archives
棟広良隆突撃インタビュー「2014年リーディングトレーナー矢作芳人に聞く!」


棟広:本日は、矢作先生のご自宅にお邪魔させていただき
突撃インタビューを行わせていただきます!
先生、リーディング獲得おめでとうございます!

矢作:ありがとうございます!

棟広:最後は本当に緊迫感があって、
見ている方もドキドキでした。
実際、どんなお気持ちでしたか?

矢作:最後の緊迫感は凄かったなぁ。
去年の初めに公言していたので、
最初からしんどかったなぁ。
最初からリーディングになってしまったから、
1年が長かった。
途中から激しいリーディング争いになって、
やっぱり長かったよ。

棟広:でも、最後は相手もピタっと止まったので、
これは流れが来ているなと感じていました。

矢作:結局、朝日杯の除外が決め手だったよね。
1/5の抽選だったからね。

でも、本当に獲れたもんね。

棟広:本当に良かったです。
このタイトルは大きいですね。

矢作:本当だね。
鼻差でダービーを勝ったようなもんだもんね。
ファンに感謝だよ。
2着では残らないので、本当によかった。

棟広:さて本題ですが、
広尾サラブレッド倶楽部の広報担当になった報告です。

矢作:おめでとうございます、かな?

棟広:ありがとうございます。
矢作先生とは調教助手の時代からお付き合いをいただいて、
今回のように、
馬をお願い出来ることが何よりも嬉しいです。
しかも、お願いしたムーンライトゼファー’13は、
私の友人のマイケル・タバート氏のプロデュース(WITH募集)ということもあり、
二重に嬉しいです。

矢作:まず、本当に喜んで頂くのは走らせてからだけれども、
助手時代からだよね。15年くらいかな。
昔から競馬に対する情熱を強く持っていて、そうした仲間が、
こういう形で結実したのは嬉しいよね。一つの夢だからね。
頑張らないとね。

棟広:マイケル・タバート氏はどうですか?

矢作:やっぱり確固たる意志をもっている人間だよね。
それがいろんな意味で成功しているということがあるんだと思う。

棟広:私も仕事として彼と共にこうしたことに関われているのは嬉しいです。
今回の馬についてですが、
矢作先生がお決めになったのですか。

矢作:当時ハーツ産駒で候補を2頭に絞っていたんだけど、
おべんちゃらではなく、
自分は明らかにこっちが良いと思ったんだよ。
同行していた別の方は、
違う方がいいとは言ってたんだけど、
時間を空けて行ったときはやっぱり違ったわ、と
この馬(ムーンライトゼファー’13)を推してたね。

実はハーツクライ産駒は買いづらいところはあるんだよ。


棟広:買いづらいとは?

矢作:仔出しがまばらなところがあるのと、
脚下が自分の理想でない馬が多いんだよね。
色んな牧場でハーツを見て回ったんだけど、
まぁざっくり言って8割は自分の理想には合わない。
ハーツクライの難しい所はそこだよね。

棟広:ムーンライトゼファーの仔も実はそうだったんですか?

矢作:全然全然、あの馬の脚下は問題ないよ。
秋に見に行った時に、
体が崩れていたけど、
12月に見に行ったら、
良くなっていたから安心したよ。
馬というのは崩れる時期があるので仕方はないけど、
乗り運動を開始したら、
明らかに馬体が戻ったな、という印象だった。
どんな馬でも崩れる時期はある。
それは悪いことではなく、
当歳の離乳後や当歳から1歳の冬のどこかで崩れる。
だから、1回崩れてよくなったのは評価できるかな。


(10/18撮影)


(12/26撮影)

棟広:次はいつ見に行かれますか?

矢作:2月に行くよ。

棟広:楽しみです。
この馬の父のムーンロケットの時代から考えますと、
彼を何度もオーストラリアと往復させた馬ですよね。

矢作:輸送費だけでも大変だよね(笑)
マイケルさんの夢が詰まった馬だよね。

棟広:僕の夢も詰まっています。

矢作:そうだね。それにこうして携わらせてもらえるのは嬉しいね。

棟広:全兄のお兄さん(ハナズドリーム)は期待馬だったんですけど、
2歳の春にエビになってしまって・・・

矢作:そうだね。
今も現役なんだよね?

棟広:重度のエビだったのですが、それを治せるという方がいて、
治してもらったんですね。

矢作:でも、エビっていうのは、
屈腱が切れてしまっているから、
100%の能力を出し切るのは難しいよね。

棟広:だから、本馬に期待しているんですよ。

矢作:自分達は友人関係かもしれないけど、
広尾含めビジネスには厳しい人たちが集まっているし、
これはビジネスだから、
しっかりと馬を走らせる努力をするよ。

矢作厩舎だからこれだけしてもらえた、
そういってもらえるように頑張るよ。
会員の皆さんもそうでないと納得しないよね。

棟広:それこそ、プロフェッショナルの仕事です。

矢作:元々ハーツクライの仔が好きだから、
楽しみでもあるんだよね。

でも、ハーツ産駒はアベレージヒッターではないから、
そこは賭けなところもあるよ。
プレッシャーはあるけれども皆さんに納得して頂ける仕事をするよ。

棟広:リーディングを獲られた今でも、
矢作先生からは情熱を感じます。

矢作:あれだけ数を使って勝たせることができるのも
うちのスタッフに助けられているからこそだし、
ポテンシャルは高いと思う。
だからその情熱を保てられるんだけどね。

棟広:そこが素晴らしいです。


矢作:自分でも情熱があると自負しているし、
その情熱がなくなった時が辞める時だと思っている。
今はそのパワーは十分にあるので、
その情熱を本馬にも向けますよ。
でも、真剣にやるというのは本当に疲れるんだよ(笑)

棟広:はい、頭が下がります(笑)

矢作:いまの力でやることが続けられているのも
スタッフの優秀さに助けられていると思う。
自分も自分で言うのもなんだけど、負けず嫌いだよね。

棟広:勝ち負けの世界でそこは重要ですね。

最後になりますが、
広尾サラブレッド倶楽部の
会員の皆様に一言だけお願い出来ますか?

矢作:頂いたご縁で結果を出すことが、
私の仕事だと思っています。
精一杯頑張りますので、
応援、宜しくお願いします!

棟広:力強いお言葉、ありがとうございます。
本日は、本当にありがとうございました!




矢作芳人調教師

1961年生まれ、東京都出身。開成高校卒業後、オーストラリアでの修行などを経て86年から調教助手。04年に14回目の挑戦で調教師試験に合格し、翌05年に栗東で厩舎開業。07年にスーパーホーネットのスワンSで重賞初制覇、08年にはJRA史上最速で通算100勝を達成した。10年の朝日杯フューチュリティステークスをグランプリボスで制し、G1競走初勝利。11年には現役最速での通算200勝目を挙げる。12年には、日本ダービーをディープブリランテで制し、ダービートレーナーとなり、2014年、53勝を挙げて初のリーディングトレーナーになる。父は大井の矢作和人元調教師。
 



管理予定馬:ムーンライトゼファー' 13
牡2歳 栗毛 2013.04.05生 浦河産
父:ハーツクライ 母:ムーンライトゼファー (母の父:ムーンロケット)
販売総額 5,000万円 / 総口数 40口
一口価格 1,250,000円
マイケル・タバート氏がプロデュースするWITH募集馬の一頭