JRA主催「実践競走馬学」レポート【生産・血統・馬体編】
10月より毎週木曜日、JRAが「実践競走馬学」というセミナーを主催しています。
内容は競走馬の生産や馬術競技、果てには競走馬の診療・装蹄に関することなど、1回ごとの内容が深すぎるセミナーですが、1回目はJRA馬事部、2回目はJRA国際部と様々な部署がその専門的な内容について講義され、競馬をさらに深く知ってもらおうといったことが主な目的でなされているようです。
さて、そんな「実践競走馬学」に、広尾サラブレッド倶楽部のスタッフも参加させていただき、競馬に関する見識をさらに深めて参りました。
その一回目の講義に、なかなか面白いものがあったのでご紹介いたします。
※画像はJRA馬事部 生産育成対策室 石丸睦樹様の資料を許諾をいただいて転載しております。
まずはサラブレッドの生産頭数内訳。
2015年は青森だけで年間80頭 を生産していたんですね。
最近では今年のジャパンダートダービーを勝利したキョウエイギアも青森県産馬。青森県産馬限定競争がないのは成績が良いからでしょうか。
次は血統の国別傾向。
イギリス・アイルランドのリーディングがこちら。

先日の凱旋門賞をワンツースリーフィニッシュしリーディングをひた走るガリレオなどノーザンダンサー系が主役です。
ですが、米リーディングを見てみると、

このように国によって全く傾向が異なります。これらを知っておくだけでさらに馬選びが楽しくなるでしょう。
例えば現在の募集馬だと・・・
レフィナーダ’15の血統表の5代父はノーザンダンサー。
ヘニーヒューズ自体は短距離ダート戦線で活躍し、産駒にもダートでの活躍馬が過半数を占める種牡馬ですが、血統の大元を辿れば、ヨーロッパに枝葉を伸ばしているノーザンダンサー系ということが分かります。
もちろんこれだけで馬の特性を一概には決めつけることはできません。
ですが、この馬が芝でも活躍できる可能性を秘めている手先の柔らかさを持っていることは牧場の方もおっしゃっていますし、それがこのノーザンダンサーのクロスによって裏付けられている、という言い方もできるでしょう。
そして、最後が馬体。
よく馬を見る力がある人を「相場眼がある」と言いますが、この項ではその「相馬」についてでした。

この説明図の中でも特に重要なのが
・胴の伸び
・肩の角度
・前繋の角度
・飛節の角度
です。
胴の伸びは、正方形を一応の標準として胴が短ければ距離適性が短く、胴が長ければ長距離への適性があります。ただ、 成長とともに変化が起きやすい部分ですので、一目で決めつけ過ぎないことも重要です。
肩の角度は、肩が立ち気味の場合は前脚の可動域が狭い場合が多く、完歩の狭いピッチ走法で短距離向き、肩が寝ている場合は完歩の広い大飛び走法で長距離向きとされます。
前繋の角度は着地の際にクッションの役割を果たします。なので馬場の適性に影響する部分が大きいです。繋が立っている場合はダート向き、繋が寝ている場合は芝向きの馬が多いです。
飛節の角度に関しては、一般的に直飛の傾向がある馬はパワー型で短距離適性、曲飛の傾向がある馬は切れ味型で長距離適性があります。
これを具体的にマジェスティックブライト’14で検証してみましょう。
計測したところ、肩の角度は43度。
標準の45度に近いですが、やや寝ているので前脚の伸びはありそうです。
つなぎの角度は48度。
この写真では標準の範囲と言えそうです。馬場もとらえやすく力強く走る姿が想像できます。
飛節の角度は160度。
ほぼ標準で中距離型といったところでしょうか。
これらのデータを総合するとかなりバランスが良い馬だということが分かります。極端な傾向もなく、安定して走ってくれることを期待します。
さらに調べているとこのデータに酷似した数字を出した馬がいました。
それがこの馬。
お分かりでしょうか?
実はこの馬、現在1600万で活躍しているマカハです。
やはりバランスが良い馬は活躍するということでしょうか。
マカハ自身も3歳時は2200m戦で馬券になったこともあり距離の融通は利くでしょう。
マジェスティックブライト’14にもマカハ以上に出世して、息の長い活躍を期待したいです。
いかがだったでしょうか?
血統と馬体が見れるようになればさらに一口ライフが楽しくなりそうだと感じていただけたのではないでしょうか。
このセミナーも全8回ありますので、また機会があればレポートしたいと思います!
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