アドバンスマルス、勝利も

アドバンスマルスの勝利に湧くところ、下記の近況が飛び込んできました。

18.04.11
栗東トレセン在厩。レース後、右膝が若干腫れぼったかったため、念のためレントゲン検査を行ったところ、橈骨遠位端骨折が判明。全治6か月と診断されました。
「歩様には全く見せなかったものの、幾らか腫れぼったい感じでしたので、獣医師の勧めで検査してみたところ、橈骨遠位端の外側にヒビが入っていることが分かりました。剥離はしておらず、6か月の診断の中では程度は軽く、レントゲンでもハッキリと写らないため、2枚目の写真でようやく分かったほど。ただ、『このケースはオペして取り除いた方が治りも早い』(獣医師)との判断から、金曜日にトレセン内で除去手術を行う予定になっています。今日も引き運動を行ったくらいで歩様に違和感はありませんが、今後の競走生活を考えますと、ここで適切な対処しておいた方が将来のためと言えるでしょう。残念ではありますが、前走できちっと勝っておくことができたのは不幸中の幸い。ここはしっかりと治して、また頑張ってもらいたいと思います」(高柳大調教師)

大変残念なお知らせです。ご出資者様にとって歓喜のあとのこの知らせはショックは大きいものと思います。

ただ、その中でも調教師がおっしゃるように勝つことができたのは不幸中の幸い。マルスにとっては歩様に出すこともないことから明らかな痛みには至っていない様子。

先生はレース後、球節のケアはもちろんのこと獣医師含めた全身ケアをと考えており、今回も厩務員の方が違和感を察知し、それを先生が大事に捉え、1回で終わらすのではなく2回レントゲンをとってもらい、獣医も念入りに見て頂いたからこそみつかったものでした。

競走馬にケガはつきものではありますが、こうした早期発見のプロセスはスタッフの高い意識、獣医師含めた厩舎内での連携、調教師の適切な判断があり実現されます。幸いにも軽度ではあり、しっかり骨が固まるまで治せば競走能力に影響のあるものではありませんので、お待ちいただくことについては残念ではありますが、しばらくの休養とお考え頂けますと幸いです。

休養先の牧場については、現在調整中でございます。近況更新をお待ちください。

 

 

本馬で初めて一口をされている方も多くいらっしゃいますので説明をさせていただきますと、橈骨遠位端骨折とは下記のURL先の写真1となります。

http://company.jra.jp/bajikouen/health/kossetu.pdf

下記は上記ページの引用です。

1)腕節部の骨折
腕節部すなわち手根骨の骨折は、競走中や追切り調教時に腕節に過度の伸展がかかるために起こるとされている。通常、手根骨の骨折は剥離骨折であり、橈骨遠位端(写真1)や橈側手根骨遠位(写真 2)に多くみられる。症状としては、骨折の程度にもよるが、数時間経過後あるいは翌日に跛行を示すことが多く、腕節の部分的な腫脹、帯熱および触診痛が認められる。また、希に第3手根骨の板状骨折や副手根骨骨折(写真 3)を発症するが、これらの症例では競走復帰は困難である。

剥離骨折に対しては、骨片の外科的摘出術が実施されるが、近年では関節鏡を用いた骨片摘出術が行なわれている(写真 4)。これは直接カメラで関節内を観察しながら確実に遊離骨片を摘出することから、関節に与えるダメージを最小限に抑えることができる。

骨片が小さく、関節軟骨の損傷が軽度であれば、手術後3ヶ月程度で調教を再開することが可能である。一方、レントゲン上は、骨片が小さくても関節軟骨の損傷が広範囲に及んでいる場合には、長期間の休養が余儀なくされることもある。
このように予後を診断するうえにおいても、関節鏡は重要といえる。

下記はJRA競走馬診療所が発行しているTHE RACE HORCE(2012 特集号)からの引用です。

橈骨(トウコツ)とは「n」の部分になります。

模型で示すと下記の①となります。同じくTHE RACE HORCE(2012 特集号)からの引用です。

ちなみに遠位とは解剖学で「何かより遠い位置」を指し、馬では下記の方向性のことを言うようです。(解剖学における方向の表現 – Wikipediaより引用)

つまり、今回は右前の橈骨遠位端の外側となりますので、

右側の前脚の橈骨の一番下の端で外側あたりにヒビが入ったこととなります。

要約すると下記のような説明がなされております。(斜めで見にくくすみません。)

症例としては以上となります。

 

また、今回は6か月の診断が出ております。競走中の事故と認定される見込みでその通りであるとするとJRAより下記の事故見舞金というものが給付されます見込みです。細かいお話ですが、競走中の事故となるとトレセン内の診療所で行う今回の手術については無料となります。

9 競走中の事故により事故発生の日から6ヶ月以上中央競馬の競走に出走できなくなった場合 2,900,000円
https://www.hirootc.jp/static/club/jiko/
(正式にはJRA発行資料をご参照ください)

 

前々で粘り強い競馬ができ、上のクラスでもまだまだ活躍が期待されます。

この休養が本馬にとってさらなる成長に繋がり、秋以降の活躍に期待したいと思います。

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