い・な・な・き　～ From Hiroo ～

波瀾万丈。

待望の２勝目を挙げたエンパイアブルーにとって、これほどマッチする言葉は、
ないのではないか、と思います。

振り返ってみると…。

○２歳９月
エントラップメントの症状が認められたため、手術により症状を改善。

○３歳２月
新馬戦に投票を行うも、抽選漏れによる除外。

○３歳３月
新馬戦に出走も、ゲート裏での輪乗りの際に他馬に蹴られてしまい、
両トモを負傷。無念の競走除外。

○３歳６月
未勝利戦に出走。初出走ながら、500万下レベルのタイムで走破するも、
クビ差かわされて、２着

○３歳７月
デビュー戦と同じ不良馬場を、初戦を上回る好タイムで初勝利を挙げる
ものの、２戦続けての悪い馬場の影響で膝の剥離骨折を発症。全治９ヶ月
の診断。

○３歳１０月
セン痛のため、美浦トレセンの診療所へ搬送。１０日間ほど療養する。

○４歳８月
復帰前の最終追い切り後に歩様がひと息。左後肢の脛骨に骨膜を発症。
全治３ヶ月の診断。

○５歳４月
待望の復帰戦を迎えるものの、ゲート内で待たされている間に何度も立ち
上がろうとする仕草を繰り返し、危険防止のため外枠発走、そして致命的
な出遅れにより、３着に惜敗。

○５歳６月
ゲート再審査を２回目でクリア。中間の調教不足の不安がある中、課題の
ゲートを決め、最後はハナ差ながらも２勝目をマーク。

競走成績だけを見ると、デビューからすべて１番人気で、着順もすべて３着
以内。堅実な成績の裏には、このようなドラマチックな面があるということ
は、知られる事は少ないと思います。

苦悩があれば、それを乗り越えた際の喜びは大きなモノとなりますが、もう
そろそろ彼女には、波瀾万丈ではなく、順風満帆な競走生活を送ってもらい
たいところです。

そしていつの日か、繁殖にあがった際には、笑って語り合えるような、そん
な競走成績であれば、なお嬉しいですよね。

今後の“穏便な”エンパイアブルーの活躍、期待したいと思います。

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