キングオブハーツの引退について

公開日: : レース結果

所属馬の引退に伴う進退については、基本的には引退通知書内にて詳しくご説明を申し上げますが、未勝利馬においても地方転出をし、可能性の追求を行っている中で、キングオブハーツ一頭だけが競走馬引退となったことについて反響が大きく、ご納得頂ける形には難しいかもしれませんが、本ブログにおいて言及させて頂ければと思います。

本日発送の引退通知書において下記の記載をさせていただいております。
———–
2歳12月にデビューを果たし、様々なレース条件を試しつつ経験を重ね、心身の成長や馬体の 強化が待たれた愛馬キングオブハーツ号でございますが、3歳夏を迎えてもなお思うような進展が窺えず、前走の札幌戦では勝ち馬から大きく離されての入線。以降は疲労の蓄積により出走態勢が整わず、事実上の未勝利戦番組終了を迎える状況となってしまいました。
なお、これを受けまして、管理する野中賢二調教師と今後の方向性について慎重に協議を行いました結果、
①稽古での感触や動きは決して悪くないものの、レースでは前進気勢を欠き、慣れが進まない現状
②トモの緩さが解消に向かわず背腰に疲れが溜まりやすい点
③それをかばうことにより前肢への負担も大きくなってきている点
④直近での大幅な変わり身を期待することは難しく、見通しが立ちづらい点
などを考慮。心情的には大変苦しい決断となり、誠に残念ではございますが、現時点での引退が適切であるとの結論に至り、9月14日付で競走馬登録を抹消いたしましたので、ここにご報告申し上げます。
———–

上記が引退理由となりますが、今回の皆様のお声をお聞きしておりますと、地方転出を行わず競走馬としての引退となったことを残念に思う声が多いように思います。

キングオブハーツの特徴としては独特とも言える繋ぎの柔らかさ。
緩さはあったものの芯が入ってこれば瞬発力に変わり、大化けの可能性もあると期待をされた馬でした。
Twitterなどでも専用グループを作って頂いたり、皆さまに愛された馬でございました。

多大なるご声援を頂きましたこと深く感謝いたします。

 

私自身も愛馬の可能性はできるだけ追究したい立場ですので皆様のお気持ちが伝わって参ります。

芯が入ってこない点についても時間をかけることで、変化が見られるものではあると思いますので、それを待つという意味では地方転出は有力な方法にも思えます。

ですが、関係各所と意見を交わさせて頂いた中で上記の理由が字面以上に重い状態とのことで、キングオブハーツにとっても第2の馬生があるのであれば、そちらもやむなしと感じる部分もございます。

 

その点についてご説明差し上げたく存じます。

まず、現状における背腰の疲れにつきましては、近況にもありますように、スーパー未勝利に向けて関係者一同進めて参りましたが、回復進度が遅くこのままの進度では年内の出走すら叶わない状態とのことでした。もちろん、変化が起こることを期してギリギリまで進めさせていただきましたが、期待に沿う回復が見られなかった模様です。

そして、この疲れがトモの緩さから前肢にかけて負担も大きくなる構造的な問題を抱えており、これまでの経緯を含めてレース数を使うことができず、今後の変わり身が期待しにくいとのことでございました。

地方転出後は年内2勝、もしくは年明け3勝が条件となってきますが、地方競馬での比較的早いローテーションにおいては、上記の状態を抱えたままですとレース出走が叶わない状態でもあり、本馬が一定の成長を現時点において見せてくれていれば成長を待つ選択肢が取れたかとは思いますが、それが結果的には見られていないこと。最終戦で見られたように以前にも増して前進気勢を欠いた状態であることなど複合的な要因から地方転出を諦めざるを得ない判断となってしまいました。誠に申し訳ございません。

繋ぎの柔らかさは通常であれば、瞬発力にも繋がり、歓迎するべきものではあるかと思います。これは個人的な見方になりますが、本馬の場合は独特とも言える軟らかさが強みではありましたが、その分、疲れが溜まりやすくなってしまう構造になってしまったかとは思います。段階的にペースを上げられる調教段階では問題がないものの、ヨーイドンのスタートから一定のペースが求められるレースでは負担がかかってしまい、追走に苦労することや後半で走れなくなってしまうという事象に繋がってしまったという見解も皆さまのご意見の中では聞かれます。馬はやはり生き物ですから人間同様に嫌な記憶はなかなか拭い去れないかとは思いますが、レースを使う中でトモの強化が図られ、そうした疲れを感じなくなる馬もあれば、そうでない馬もいます。ご期待に沿うことができず申し訳ないです。

また、出走距離のレース選択についてのお問い合わせも頂いており、お答えさせていただきます。

遺伝子検査結果としてC:C型が出ており、最終戦で短距離路線を試すご意見もあるかと存じますが、結果としまして中距離において道中おいていかれる状態となりますと、物理的に短距離ではさらについていけない状態となりますので、残された可能性のタイミングで勝利を目指すために競馬のペースがよりゆっくりとなる距離を選ばせて頂いた背景となります。

それでは遺伝子検査結果が悪かとなりますとそうではないと考えております。
もちろん、ディメンシオンがT:T型でありながら、気性面などの影響もあり、マイル以下で活躍する事例もあり、スピード遺伝子検査結果は全ての馬に当てはまることはございませんが、過去にはスピード遺伝子検査結果を基に距離変更を行い、結果を出した馬もございます。
ある一定の割合において検証された貴重なデータでございますので、それを基にした提言や関係者との協議は今後も行って参る所存です。

如何せん、疲れなどの問題はあり、レース数をこなすことができませんでしたので、ありとあらゆる条件を実際に試すことができず、様々なご意見はあるかと存じます。結果を残すことができなかったことが全てではございますが、愛馬の活躍と可能性の追求を望む想いは皆様とともに我々も同様でございます。

 

以上、長々と書かせていただきましたが、競馬の見方は一つではございませんので、上記が唯一の正解ではございません。

 

やはり愛馬の引退は悲しいです。できれば現役を継続して欲しいですし、時間がかかっても障害練習などをしてトモの強化を図るといったことも考えられたかとは思います。

ただ、さすがに年内に出られない状況では会員様のご負担もありますし、我々としても良くなる見込みが得られない中で進めることはできない背景もあります。

今回、ご期待に沿う判断を下すことができず、本件を基にご不信感にも繋がりかねない結果となり申し訳ございません。

今年は2014年産馬が活躍し、2016年産馬も早々に新馬勝ちをし、(募集頭数の関係も大いにありますが)世代で全クラブ中2位の勝ち上がり率となり、2017年産も魅力があるラインナップだとご期待のお声を多く頂戴しますが、2015年産馬では大きな結果を現状では残せておりません。ただ、再ファンドという制度も積極的に利用し、各馬の可能性を見出す方向性に皆さまが共感してくださっていることを非常に有り難く感じるとともに再ファンドが叶わなかったキングオブハーツの分まで1頭でも多く実績を残せるよう可能性の追及をして参りたいと考えております。

従来の募集形態では1頭あたりのご負担も大きく、馬の可能性を追究する前の早期引退を望むお声も少なからずありましたが、これだけ多くのキングオブハーツの現役継続を望まれるお声を頂戴していることを大変有り難く感じます。こうしたお声を頂戴できるのも、一頭の馬でたくさんの方と共有をし、広尾サラブレッド倶楽部という単位で応援していただいているからこそのお声と感じております。

ご期待の声を今後も頂戴できるような運営に努めるとともに、愛馬へのご声援のほど、何卒、よろしくお願い申し上げます。

 

全てにご納得いただけない部分もあるかとは存じますが、一つの見解としてお受け取りいただければ幸いです。
キングオブハーツの頑張りに感謝の念と今後の乗馬としての幸せな馬生を願います。

引退記念品の申込のご案内はご出資者様のマイページにて表示しております。

https://www.hirootc.jp/member/

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